労務コラム

「元ミセスのドラマー兼社労士」がラウンドワンの社外取締役に。これからの働き方は、ひとつの肩書きだけでは弱いです。

2026.06.30
元ドラマー兼社労士が社外取締役に

ラウンドワンの社外取締役に、山中綾華さんが就任されたというニュースが話題になっています。

山中さんは、Mrs. GREEN APPLEの元ドラマーとして知られている方です。

それだけでも話題性はあります。

ただ、今回おもしろいのは、単に有名人が社外取締役になったという話ではないことです。

山中さんは、社会保険労務士の資格も持っています。

つまり、「元人気バンドのドラマー」であり、「社労士」でもあるわけです。

この組み合わせが、かなり面白いです。

有名人が社外取締役になること自体は珍しくありません。

タレントさんや著名人が、企業の社外取締役に就任するケースはあります。

知名度があります。

発信力があります。

企業イメージにもつながります。

そういう意味で、有名人が社外取締役になること自体は、そこまで珍しい話ではありません。

ただ、今回のケースは少し違います。

山中さんの場合、芸能・音楽の世界での経験に加えて、社労士という専門性があります。

ここが大きいところです。

「有名だから選ばれた」というだけではなく、「エンタメ業界の視点」と「労務・人材の専門性」を持っている人として期待されているわけです。

この二つの軸があるから、一見すると、今回の就任にも説得力が生まれています。

ひとつの軸だけなら、批判は多かったかも。

もし、山中さんが「元ドラマー」という肩書きだけで社外取締役になっていたら、もっと批判的な声が多かったかもしれません。

「なぜこの人が社外取締役なのか」

「経営経験はあるのか」

「ただの話題づくりではないのか」

そう見られやすかったと思います。

逆に、「社労士」という肩書きだけだった場合も、31歳という若さを考えると、やはり疑問の声は出たかもしれません。

でも、「ドラマー」と「社労士」が組み合わさると見え方が変わります。

エンターテインメント業界を知っている。

クリエイティブな現場を知っている。

そのうえで、労務リスクや人材育成にも知見がある。

こうなると、企業側が期待する理由が見えてきます。

これからの働き方は「掛け合わせ」が大事です。

これからの時代、ひとつの肩書きだけで勝負するのは、だんだん難しくなっていきます。

社労士。

税理士。

行政書士。

ドラマー。

ランナー。

経営者。

発信者。

どの肩書きも、それ単体では競争が激しいです。

でも、掛け合わせると一気に独自性が出ます。

ただ、掛け合わせによってその印象は変わります。

社労士と税理士。

社労士と行政書士。

こういう近い資格の掛け合わせは、わかりやすいです。

顧客にも説明しやすいです。

労務と税務をまとめて見られます。

許認可と労務の相談に対応できます。

こういう形ですね。

ただ、今回の山中さんのような「社労士とドラマー」の掛け合わせは、直感的には結びつきません。

だからこそ、おもしろい。

でも掛け合わせがめちゃくちゃ難しい。

組み合わせが珍しいだけでは、まだ足りません。

ここで大事なのは、珍しければいいという話ではないことです。

「ドラマー兼社労士」は、たしかに目立ちます。

覚えられやすいです。

メディアにも取り上げられやすいでしょう。

でも、それだけではまだ途中です。

本当に大事なのは、その二つの軸をどう価値に変えるかです。

ドラマーであることが、社労士としての仕事にどう生きるのか。

社労士であることが、エンタメ業界や企業経営にどう生きるのか。

この答えを見せられるかどうかです。

社外取締役になったことは、ひとつの成果です。

でも、それ自体がゴールではありません。

むしろ、何も結果を出しておらず、ここからが本番です。

「二つの軸があるから、自分はこういう価値を出せる」

ここを見せてほしいですね。

ラウンドワンが期待している役割も、そこにあるはず。

ラウンドワン側の選任理由を見ても、二つの軸への期待が読み取れます。

プロドラマーとして、エンターテインメント業界でのクリエイティブな視点を持っていること。

社労士として、労務リスク管理や人材育成に関する助言ができること。

こうした期待があるわけです。

ラウンドワンは、エンターテインメント企業です。

ボウリング、カラオケ、アミューズメント、スポーツなど、人が楽しむ場を提供している会社です。

そこで、エンタメの現場を知る人の視点は価値があります。

さらに、多くの従業員が働く企業でもあります。

人材育成や労務管理の視点も重要です。

この二つをつなげられたら、かなりおもしろいです。

エンタメ現場のリアルを知っているからこそ、働く人の環境づくりに具体的な提案ができる。

社労士としての知識があるからこそ、感覚論だけではなく制度や仕組みに落とし込める。

2つの軸を活かせる山中さんにしかできない、具体的な価値が出てくることを、めちゃくちゃ楽しみにしています。

わたし自身も「100キロ走れる社労士」として活動しています。

この話は、わたし自身にも刺さります。

わたしはランニングをしています。

100キロ以上の距離を走ることもあります。

そのことを、いろんなところで公言します。

そのため、「100キロ走れる社労士」と言われます。

これは覚えてもらいやすいです。

いい印象も持ってもらいやすい。

名刺代わりにもなります。

「あの100キロ走る社労士の人ですね」と思い出してもらえることもあります。

ブランディングとしては、たしかに強いです。

でも、その先が大事です。

100キロ走れるから、社労士として何ができるのか。

粘り強く対応できる。

最後まであきらめずに伴走できる。

健康経営やスポーツ業界に強い。

こういう連想はできます。

ただ、それを具体的なサービスや価値に落とし込めているかというと、まだまだ考える余地があります。

ここは、山中さんの「ドラマー兼社労士」と同じです。(失礼ながら)

珍しいだけでは終われません。

掛け合わせを、どう価値に変えるか。

ここが勝負です。

複数の軸は「ハーモニー」させてこそ意味があります。

最近、ワークライフハーモニーの話をしています。

仕事と生活を切り分けるのではなく、調和させるという考え方です。

これは、肩書きやスキルにも同じことが言えます。

社労士は社労士。

ドラマーはドラマー。

ランニングはランニング。

そうやって切り分けるだけでは、価値はそこまで広がりません。

大事なのは、どう調和させるかです。

社労士とドラマーが、どうハーモニーを奏でるのか。

社労士と100キロランナーが、どう響き合うのか。

この組み合わせから、新しい価値が生まれるかどうかです。

ただ肩書きを並べるだけでは弱いです。

「だから何ができるのか」まで言語化する必要があります。

女性役員という見られ方にも注意が必要です。

もうひとつ、少し慎重に見ておきたい点があります。

山中さんは女性です。

上場企業では、取締役会の女性比率を高める流れがあります。

これは大事なことです。

多様な視点を経営に入れることは必要です。

ただ一方で、女性だから選ばれたのではないか。

話題づくりではないか。

お飾りではないか。

そう見られてしまうリスクもあります。

これは本人にとっても、企業にとっても、あまりよくありません。

だからこそ、実績で見せてほしいです。

女性だから呼ばれた。

話題性があるから呼ばれた。

そこで終わるのではなく、社外取締役として具体的に価値を出してほしいですね。

モデルケースになってほしいです。

今回の就任は、社労士業界にとってもおもしろいニュースです。

社労士の活躍の場は、従来の顧問業務だけではありません。

企業経営に関わる。

人材戦略に関わる。

労務リスク管理に関わる。

働く人の環境づくりに関わる。

社外取締役として、そうした視点を提供する道もあるわけです。

さらに、音楽やエンタメという異なる世界の経験を持っている人が、経営の場でどんな価値を出すのか。

ここは、かなり注目したいです。

「社労士と別の軸を持つことで、こんな働き方ができる」

そういうモデルケースになってくれたら、かなり希望があります。

ぼく自身も、そこから学びたいです。

「100キロ走れる社労士」としての答えも、見えてくるかもしれません。

まとめます。

ラウンドワンの社外取締役に、元Mrs. GREEN APPLEのドラマーであり、社労士でもある山中綾華さんが就任されました。

今回のニュースがおもしろいのは、有名人が社外取締役になったという話にとどまらないことです。

ドラマーというエンタメ業界の経験。

社労士という労務・人材の専門性。

この二つの軸が掛け合わさっているところに価値があります。

これからの働き方では、ひとつの肩書きだけではなく、複数の軸を持つことが大事になります。

ただし、珍しいだけでは足りません。

大事なのは、その軸をどう調和させ、どんな価値に変えるかです。

社労士とドラマー。

社労士と100キロランナー。

一見つながらないものを、どう仕事に生かしていくのか。

ここに、新しい働き方のヒントがあります。

山中さんには、ぜひ「二つの軸を持つ人が、経営の場でどう価値を出すのか」を見せてほしいですね。

これは社労士業界にとっても、これからの働き方を考える上でも、かなりおもしろい事例になるはずです。

肩書きは、並べるだけでは意味がありません。

響き合わせてこそ、価値になります。

自分の軸も、うまくハーモニーさせていきましょう。

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