「元ミセスのドラマー兼社労士」がラウンドワンの社外取締役に。これからの働き方は、ひとつの肩書きだけでは弱いです。
ラウンドワンの社外取締役に、山中綾華さんが就任されたというニュースが話題になっています。
山中さんは、Mrs. GREEN APPLEの元ドラマーとして知られている方です。
それだけでも話題性はあります。
ただ、今回おもしろいのは、単に有名人が社外取締役になったという話ではないことです。
山中さんは、社会保険労務士の資格も持っています。
つまり、「元人気バンドのドラマー」であり、「社労士」でもあるわけです。
この組み合わせが、かなり面白いです。
有名人が社外取締役になること自体は珍しくありません。
タレントさんや著名人が、企業の社外取締役に就任するケースはあります。
知名度があります。
発信力があります。
企業イメージにもつながります。
そういう意味で、有名人が社外取締役になること自体は、そこまで珍しい話ではありません。
ただ、今回のケースは少し違います。
山中さんの場合、芸能・音楽の世界での経験に加えて、社労士という専門性があります。
ここが大きいところです。
「有名だから選ばれた」というだけではなく、「エンタメ業界の視点」と「労務・人材の専門性」を持っている人として期待されているわけです。
この二つの軸があるから、一見すると、今回の就任にも説得力が生まれています。
ひとつの軸だけなら、批判は多かったかも。
もし、山中さんが「元ドラマー」という肩書きだけで社外取締役になっていたら、もっと批判的な声が多かったかもしれません。
「なぜこの人が社外取締役なのか」
「経営経験はあるのか」
「ただの話題づくりではないのか」
そう見られやすかったと思います。
逆に、「社労士」という肩書きだけだった場合も、31歳という若さを考えると、やはり疑問の声は出たかもしれません。
でも、「ドラマー」と「社労士」が組み合わさると見え方が変わります。
エンターテインメント業界を知っている。
クリエイティブな現場を知っている。
そのうえで、労務リスクや人材育成にも知見がある。
こうなると、企業側が期待する理由が見えてきます。
これからの働き方は「掛け合わせ」が大事です。
これからの時代、ひとつの肩書きだけで勝負するのは、だんだん難しくなっていきます。
社労士。
税理士。
行政書士。
ドラマー。
ランナー。
経営者。
発信者。
どの肩書きも、それ単体では競争が激しいです。
でも、掛け合わせると一気に独自性が出ます。
ただ、掛け合わせによってその印象は変わります。
社労士と税理士。
社労士と行政書士。
こういう近い資格の掛け合わせは、わかりやすいです。
顧客にも説明しやすいです。
労務と税務をまとめて見られます。
許認可と労務の相談に対応できます。
こういう形ですね。
ただ、今回の山中さんのような「社労士とドラマー」の掛け合わせは、直感的には結びつきません。
だからこそ、おもしろい。
でも掛け合わせがめちゃくちゃ難しい。
組み合わせが珍しいだけでは、まだ足りません。
ここで大事なのは、珍しければいいという話ではないことです。
「ドラマー兼社労士」は、たしかに目立ちます。
覚えられやすいです。
メディアにも取り上げられやすいでしょう。
でも、それだけではまだ途中です。
本当に大事なのは、その二つの軸をどう価値に変えるかです。
ドラマーであることが、社労士としての仕事にどう生きるのか。
社労士であることが、エンタメ業界や企業経営にどう生きるのか。
この答えを見せられるかどうかです。
社外取締役になったことは、ひとつの成果です。
でも、それ自体がゴールではありません。
むしろ、何も結果を出しておらず、ここからが本番です。
「二つの軸があるから、自分はこういう価値を出せる」
ここを見せてほしいですね。
ラウンドワンが期待している役割も、そこにあるはず。
ラウンドワン側の選任理由を見ても、二つの軸への期待が読み取れます。
プロドラマーとして、エンターテインメント業界でのクリエイティブな視点を持っていること。
社労士として、労務リスク管理や人材育成に関する助言ができること。
こうした期待があるわけです。
ラウンドワンは、エンターテインメント企業です。
ボウリング、カラオケ、アミューズメント、スポーツなど、人が楽しむ場を提供している会社です。
そこで、エンタメの現場を知る人の視点は価値があります。
さらに、多くの従業員が働く企業でもあります。
人材育成や労務管理の視点も重要です。
この二つをつなげられたら、かなりおもしろいです。
エンタメ現場のリアルを知っているからこそ、働く人の環境づくりに具体的な提案ができる。
社労士としての知識があるからこそ、感覚論だけではなく制度や仕組みに落とし込める。
2つの軸を活かせる山中さんにしかできない、具体的な価値が出てくることを、めちゃくちゃ楽しみにしています。
わたし自身も「100キロ走れる社労士」として活動しています。
この話は、わたし自身にも刺さります。
わたしはランニングをしています。
100キロ以上の距離を走ることもあります。
そのことを、いろんなところで公言します。
そのため、「100キロ走れる社労士」と言われます。
これは覚えてもらいやすいです。
いい印象も持ってもらいやすい。
名刺代わりにもなります。
「あの100キロ走る社労士の人ですね」と思い出してもらえることもあります。
ブランディングとしては、たしかに強いです。
でも、その先が大事です。
100キロ走れるから、社労士として何ができるのか。
粘り強く対応できる。
最後まであきらめずに伴走できる。
健康経営やスポーツ業界に強い。
こういう連想はできます。
ただ、それを具体的なサービスや価値に落とし込めているかというと、まだまだ考える余地があります。
ここは、山中さんの「ドラマー兼社労士」と同じです。(失礼ながら)
珍しいだけでは終われません。
掛け合わせを、どう価値に変えるか。
ここが勝負です。
複数の軸は「ハーモニー」させてこそ意味があります。
最近、ワークライフハーモニーの話をしています。
仕事と生活を切り分けるのではなく、調和させるという考え方です。
これは、肩書きやスキルにも同じことが言えます。
社労士は社労士。
ドラマーはドラマー。
ランニングはランニング。
そうやって切り分けるだけでは、価値はそこまで広がりません。
大事なのは、どう調和させるかです。
社労士とドラマーが、どうハーモニーを奏でるのか。
社労士と100キロランナーが、どう響き合うのか。
この組み合わせから、新しい価値が生まれるかどうかです。
ただ肩書きを並べるだけでは弱いです。
「だから何ができるのか」まで言語化する必要があります。
女性役員という見られ方にも注意が必要です。
もうひとつ、少し慎重に見ておきたい点があります。
山中さんは女性です。
上場企業では、取締役会の女性比率を高める流れがあります。
これは大事なことです。
多様な視点を経営に入れることは必要です。
ただ一方で、女性だから選ばれたのではないか。
話題づくりではないか。
お飾りではないか。
そう見られてしまうリスクもあります。
これは本人にとっても、企業にとっても、あまりよくありません。
だからこそ、実績で見せてほしいです。
女性だから呼ばれた。
話題性があるから呼ばれた。
そこで終わるのではなく、社外取締役として具体的に価値を出してほしいですね。
モデルケースになってほしいです。
今回の就任は、社労士業界にとってもおもしろいニュースです。
社労士の活躍の場は、従来の顧問業務だけではありません。
企業経営に関わる。
人材戦略に関わる。
労務リスク管理に関わる。
働く人の環境づくりに関わる。
社外取締役として、そうした視点を提供する道もあるわけです。
さらに、音楽やエンタメという異なる世界の経験を持っている人が、経営の場でどんな価値を出すのか。
ここは、かなり注目したいです。
「社労士と別の軸を持つことで、こんな働き方ができる」
そういうモデルケースになってくれたら、かなり希望があります。
ぼく自身も、そこから学びたいです。
「100キロ走れる社労士」としての答えも、見えてくるかもしれません。
まとめます。
ラウンドワンの社外取締役に、元Mrs. GREEN APPLEのドラマーであり、社労士でもある山中綾華さんが就任されました。
今回のニュースがおもしろいのは、有名人が社外取締役になったという話にとどまらないことです。
ドラマーというエンタメ業界の経験。
社労士という労務・人材の専門性。
この二つの軸が掛け合わさっているところに価値があります。
これからの働き方では、ひとつの肩書きだけではなく、複数の軸を持つことが大事になります。
ただし、珍しいだけでは足りません。
大事なのは、その軸をどう調和させ、どんな価値に変えるかです。
社労士とドラマー。
社労士と100キロランナー。
一見つながらないものを、どう仕事に生かしていくのか。
ここに、新しい働き方のヒントがあります。
山中さんには、ぜひ「二つの軸を持つ人が、経営の場でどう価値を出すのか」を見せてほしいですね。
これは社労士業界にとっても、これからの働き方を考える上でも、かなりおもしろい事例になるはずです。
肩書きは、並べるだけでは意味がありません。
響き合わせてこそ、価値になります。
自分の軸も、うまくハーモニーさせていきましょう。
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