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雇用保険料率の変更はいつから?給与の締日の違いによる反映タイミング

雇用保険料率の変更はいつから?給与の締日の違いによる反映タイミング

毎年4月は雇用保険料率が見直される時期です。2026年度(令和8年度)も料率が変更されましたが、実務担当者が最も迷うのは「いつの給与から新しい料率を適用すべきか」という点です。

本記事では、大阪でサービス業を中心に人事労務をサポートするアセント社労士事務所が、給与計算における反映タイミングの注意点を詳しく解説します。

雇用保険料率の変更内容と現状

雇用保険料率は、社会情勢や雇用保険制度の財政状況に応じて毎年4月に見直されます。

■ 令和8年度の料率引き下げ

2026年度(令和8年度)の雇用保険料率は、事業の種類によって異なります。一般の事業の場合、従業員(被保険者)が負担する保険料率は0.5%となりました。前年度の0.55%から0.05%の引き下げとなります。

雇用保険料率をいつから変更するかについては、明確なルールが存在します。多くの担当者が「4月に支払う給与から変える」と誤解しがちですが、正しくは「締め日」を基準に判断します。

「4月1日以降に初めて迎える締め日」が基準

新しい雇用保険料率は「4月1日以降に、初めて支払期日の到来する賃金」ではなく、「4月1日以降の期間に対応する賃金」から適用することとされています。

実務上の公式ルールは以下の通りです。
「4月1日以降に、初めて迎える給与の締め日」
この締め日以降に支払われる給与から、新しい料率を適用します。

■ 具体的な判定パターン

自社の給与規定が以下のどちらに該当するか確認してください。

  • 3月末締めで4月に支払う場合(旧料率を適用)
    例:3月31日締め・4月10日払い
    この場合、4月10日に支払う給与は「3月分の労働」に対する対価です。4月1日よりも前に締め日が到来しているため、適用するのは「変更前の旧料率(0.55%)」となります。
  • 4月中に締め日があり同月内に支払う場合(新料率を適用)
    例:15日締め・当月25日払い
    4月15日に締め日を迎える場合、これは4月1日以降の期間を含みます。したがって、4月25日に支払う給与から「新しい料率(0.5%)」を適用します。

多くの企業では給与計算システムを導入していますが、システムの自動更新には注意が必要です。

システム設定の落とし穴

■ システムが「支払い月」で判定している可能性

システムによっては、単純に「4月支給分」から自動的に料率を変更する設定になっている場合があります。前述の「3月末締め・4月払い」の会社がこの設定のまま計算すると、誤った料率で控除してしまいます。

■ 担当者によるロジックの理解が不可欠

システムの設定を鵜呑みにせず、自社の締め日がルールのどちらに該当するかを把握してください。設定ミスは、全従業員の過不足精算という膨大な修正作業につながります。

雇用保険料率の適用時期を間違えると、年1回の「労働保険料の年度更新(確定保険料の計算)」で整合性が取れなくなります。

確定保険料との関係とサービス業の注意点

■ 確定保険料との関係

労働保険料(雇用保険・労災保険)は、毎年4月1日から翌年3月31日までに支払いが確定した賃金の総額に料率を乗じて計算します。

3月末締めの給与を4月に支払う場合、その賃金は「前年度分」として集計されます。もしここで新年度の料率を適用してしまうと、年度更新時に算出される確定保険料の金額と、実際に給与から控除した金額の合計が一致しなくなります。

■ サービス業における注意点

サービス業など、シフト制で給与計算が複雑な職場では、特に締め日の管理が重要です。変形労働時間制を採用している場合も、基本となる締め日を基準に判断してください。

まとめ:今すぐ確認すべきポイント

雇用保険料率の変更に伴い、以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 自社の給与締め日を確認する:
    4月1日以降に最初の締め日が来るかを確認します。
  • 3月末締め・4月払いは「旧料率」:
    今月の給与から下げてしまわないよう注意してください。
  • 4月締め・4月払いは「新料率」:
    今月の給与から新しい料率を適用します。
  • システム設定の再確認:
    自動更新が自社の締め日ルールと合致しているか検証してください。
  • 年度更新を見据えた管理:
    正確な控除が、次回の確定保険料計算の正確性に直結します。

もし設定を間違えてしまった場合は、速やかに翌月の給与で精算するなどの対応が必要です。不安な場合は、アセント社労士事務所までご相談ください。

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