初めて従業員を雇うときこそ、社労士を入れたほうがいいです。
初めて従業員を雇う。
これは、会社にとってかなり大きな転換点です。
社長ひとりで回していた事業が、「人を雇う事業」に変わる瞬間です。
ここで、ぜひ考えてほしいことがあります。
初めて従業員を雇うタイミングで、社労士を入れたほうがいいです。
半分宣伝のように聞こえるかもしれません。
でも、これは本当に大事です。
むしろ、従業員が増えてからでは遅いことが多いです。
税理士は入れるのに、社労士は後回しにされがちです。
会社を作る。
法人化する。
売上が立ってくる。
そうなると、税理士に相談する会社は多いです。
これは自然です。
税務申告があります。
会計処理があります。
会社にとってお金の管理は大事ですから、税理士を入れる判断はわかります。
でも、人を雇う段階で社労士を入れる会社は、まだ多くありません。
「社労士は従業員が10人くらいになってからでいい」
こう考えている方も多いと思います。
ただ、実際に多くの会社を見ていると、10人になってから整えるのはかなり大変です。
雇用契約書がない。
有給休暇の管理が曖昧です。
社会保険や雇用保険の手続きが抜けています。
給与のルールが人によって違います。
就業規則を作ろうにも、すでに現場の運用がバラバラです。
こうなってから立て直すのは、かなり骨が折れます。
最初から整えておいたほうが、圧倒的に楽です。
1人目から整えるべきものがあります。
従業員が1人だけだから、労務管理は適当でいい。
これは違います。
むしろ、1人目から整えるべきです。
最初に見るべきものは、いくつかあります。
雇用契約書。
労働者名簿。
社会保険と雇用保険の手続き。
給与計算のルール。
勤怠管理。
就業規則の方向性。
これらは、従業員が増えてから急に整えるものではありません。
1人目の時点で土台を作ります。
土台があるから、2人目、3人目を雇うときにスムーズになります。
逆に、1人目の時点で曖昧にすると、その曖昧さが会社の文化になります。
これが怖いのです。
「小さい会社だからできない」は、理由になりません。
社長さんから、よくこう言われます。
「うちは小さい会社なので、大企業みたいなことはできません」
これは、わかります。
大企業と同じ給与水準にするのは難しいでしょう。
何ヶ月分ものボーナスを出すのも難しいでしょう。
福利厚生をたくさん用意するのも、現実的ではないかもしれません。
でも、雇用契約書を作ることはできます。
これは大企業でも、小さな会社でも、同じようにできます。
紙1枚です。
もちろん、内容はきちんと作る必要があります。
でも、「小さい会社だから雇用契約書を結べない」ということはありません。
社会保険や雇用保険の手続きも同じです。
必要な手続きは、会社の規模に関係なくやるべきものです。
有給休暇の管理も同じです。
小さい会社だから、有給を曖昧にしていいわけではありません。
ここを勘違いしてはいけません。
小さい会社ほど、信頼で勝つ必要があります。
大企業には、知名度があります。
安定感もあります。
多少ルールが曖昧でも、従業員が残ってくれることがあります。
もちろん、それが良いことではありません。
でも、現実として、大企業にはブランドの力があります。
中小企業や立ち上げ期の会社は、そうはいきません。
給与も高くないかもしれません。
知名度もまだありません。
売上も安定していないかもしれません。
だからこそ、労務をきちんと整えるべきです。
「売上はまだ発展途上です」
「でも、雇用契約はきちんと結びます」
「社会保険の手続きも適正に行います」
「給与は決めた日にきちんと支払います」
「有給休暇も管理します」
この姿勢が、従業員の安心につながります。
安心して働ける環境は、立派な価値です。
小さい会社ほど、ここで信頼を作る必要があります。
1人目がすぐ辞めるダメージは大きいです。
初めて従業員を雇う会社にとって、1人目の存在はものすごく大きいです。
大企業で1人が辞めても、組織全体への影響は限定的かもしれません。
でも、従業員が1人しかいない会社で、その1人が辞めたらどうでしょうか。
影響はかなり大きいです。
採用にかけた時間が失われます。
教育にかけた時間も失われます。
社長が本業に使うはずだった時間も消えます。
また一から求人を出します。
また一から面接します。
立ち上げ期の会社にとって、これはかなり痛いです。
しかも、労務が曖昧だったことが原因で辞められた場合、非常にもったいないです。
雇用契約が曖昧です。
休みのルールがわかりません。
残業代がどうなるのかわかりません。
有給を取れるのかもわかりません。
こういう不安が積み重なると、人は離れていきます。
労務の不安は、定着率を下げます。
従業員は、入社してから会社を見ています。
求人票に書いてあったことと、実際の働き方が合っているか。
給与の説明が明確か。
休みのルールがはっきりしているか。
社長が労務を軽く見ていないか。
こういうところを見ています。
最初は言わないかもしれません。
でも、不安は溜まっていきます。
そして、ある日急に辞めます。
社長からすると、「なぜ急に」と感じるかもしれません。
でも、本人の中ではずっと違和感が積み重なっていたわけです。
労務を整えるというのは、単に法律を守ることではありません。
従業員の不安を減らすことです。
これが定着につながります。
労務管理は、採用マーケティングでもあります。
マーケティングとは、望ましい変化を起こすことです。
労務管理も同じです。
従業員が不安を感じる会社から、安心して働ける会社へ変える。
社長の頭の中だけで回っている会社から、ルールが見える会社へ変える。
人がすぐ辞める会社から、人が定着する会社へ変える。
これも、立派なマーケティングです。
採用においても、労務が整っている会社は強いです。
「雇用契約書をきちんと交わします」
「社会保険も適正に加入します」
「有給休暇も管理しています」
「給与計算も専門家と確認しています」
こう言えるだけで、求職者の安心感は変わります。
求人広告をきれいに作ることも大事です。
でも、入社後の実態が整っていなければ意味がありません。
本当に選ばれる会社は、見せ方だけではなく、中身が整っています。
社労士は、会社の土台を作る役割です。
社労士を入れる意味は、手続きだけではありません。
もちろん、社会保険や雇用保険の手続きは大事です。
給与計算や労務相談も大事です。
でも、もっと大きいのは、会社の土台を一緒に作ることです。
雇用契約をどう設計するか。
労働時間をどう管理するか。
休みのルールをどう決めるか。
有給休暇をどう運用するか。
今後、人を増やすときにどんなルールが必要か。
こういうことを、最初から一緒に考えます。
後から修正するより、最初に整えるほうがずっといいです。
最初のルールが、その後の会社の文化になります。
だから、1人目の採用は軽く見ないほうがいいです。
社長が全部知っている必要はありません。
初めて従業員を雇う社長が、労務に詳しくないのは普通です。
それは恥ずかしいことではありません。
事業を作ること。
売上を作ること。
商品やサービスを磨くこと。
顧客対応をすること。
社長にはやることが山ほどあります。
労務まで完璧に知っている必要はありません。
でも、知らないまま適当に進めるのは危ないです。
知らないなら、専門家を入れればいいのです。
税務は税理士に聞きます。
労務は社労士に聞きます。
これは自然なことです。
むしろ、早く聞いたほうが安く済むことが多いです。
トラブルになってから対応するほうが、時間もお金もかかります。
「10人になってから」では遅いことがあります。
従業員が10人になったら就業規則を作る。
これはよく聞く話です。
たしかに、常時10人以上になると就業規則の作成・届出義務が出てきます。
でも、「10人になるまで何もしなくていい」という意味ではありません。
1人目から雇用契約は必要です。
1人目から労働時間管理は必要です。
1人目から有給休暇管理は必要です。
1人目から社会保険や雇用保険の判断は必要です。
10人になってから慌てて整えると、すでにバラバラな運用ができあがっています。
人によって条件が違います。
昔からいる人だけ特別扱いされています。
口約束が残っています。
書面がありません。
こうなると、整理するのが大変です。
だから、最初から整えておくのです。
小さい会社こそ、社労士を入れたほうがいいです。
「小さい会社だから、まだ社労士はいらない」
この考え方は、そろそろ変えたほうがいいです。
小さい会社だからこそ、社労士が必要です。
人が少ないから、1人の離職ダメージが大きいです。
仕組みがないから、社長の負担が大きいです。
ルールが曖昧だと、信頼を失いやすいです。
採用も教育も、やり直しのコストが重いです。
だから、最初から整えたほうがいいのです。
労務を安定させることは、会社の利益を守ることでもあります。
余計なトラブルを防ぐ。
早期離職を防ぐ。
採用と教育のやり直しを減らす。
社長が本業に集中できるようにする。
これらはすべて、経営に直結します。
まず確認してほしいことです。
従業員が少ない会社ほど、次の点を確認してみてください。
雇用契約書はありますか。
労働条件は書面で明示していますか。
社会保険や雇用保険の加入判断は適正ですか。
有給休暇を管理していますか。
勤怠を記録していますか。
給与の締日と支払日は明確ですか。
残業代の扱いは整理できていますか。
退職時の手続きは決まっていますか。
これらが曖昧なら、早めに見直したほうがいいです。
従業員が増えてからでは、修正に時間がかかります。
まとめ
初めて従業員を雇うタイミングは、会社にとって大きな転換点です。
この段階で社労士を入れることは、かなり意味があります。
税理士を入れる会社は多いです。
でも、人を雇うなら、社労士も必要です。
雇用契約書を整える。
社会保険や雇用保険の手続きを確認する。
有給休暇を管理する。
勤怠や給与のルールを作る。
将来の就業規則を見据える。
こうした土台を、1人目から作っておくことが大事です。
小さい会社だからできないのではありません。
小さい会社だからこそ、最初から整えるべきです。
労務が安定すれば、従業員は安心して働けます。
従業員が定着すれば、採用や教育の無駄なコストも減ります。
結果として、会社の利益も守れます。
初めて従業員を雇うなら、社労士に一度相談してみてください。
働き方をアセントさせるための、かなり大事な一歩になるはずです。
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