ハラスメント相談窓口を機能させる3つの成功のコツ
ハラスメントをなくし、働きやすい職場を作るには相談窓口の活用が不可欠。
その窓口を真に機能させるための3つの重要ポイントをお伝えします。
今回は、企業で導入が進む「ハラスメント相談窓口」の形骸化を防ぎ、より効果的に機能させるための3つのポイントを解説します。
せっかく設置した窓口を単なる形式に終わらせず、社員が「ここなら安心して話せる」と思える場所にしましょう。
ハラスメント相談窓口を機能させる3つのコツ
ハラスメントを未然に防ぎ、発生時に迅速に解決するためには、窓口が適切に活用されることが不可欠です。そのためには、以下の3つの要素が重要となります。
- 全従業員への社内教育を徹底する(通報者保護の周知)
- 窓口担当者のヒアリング能力を向上させる
- 経営層が積極的に関与する
1. 全従業員への社内教育を徹底する(通報者保護の周知)
ハラスメントが発生しやすい職場では、「何がハラスメントか」の基準が曖昧なだけでなく、「相談したら自分が不利になるのでは?」という不安が蔓延しています。教育の場では、以下の2点をセットで伝えることが重要です。
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ハラスメント類型の正しい理解
パワハラの6類型やセクハラの類型など、具体的な事例を用いて「何がアウトか」を明確にします。アルバイトを含む全従業員に周知し、共通言語化することが抑止力に繋がります。 -
「通報者保護」の仕組みをセットで周知
ここが最も重要なポイントです。「相談者の秘密は厳守されること」「相談したことを理由とした解雇・降格・嫌がらせ(不利益な取り扱い)は法律で禁止されており、会社としても断固許さないこと」を教育の中で明言します。「通報しても安全である」という心理的安全性が担保されて初めて、窓口は機能し始めます。
2. 窓口担当者のヒアリング能力を向上させる
相談窓口に連絡してくる相談者は、強い不安や怒りで感情的になっていることが多々あります。担当者には、その感情を受け止めつつ事実を整理する高度なスキルが求められます。
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客観的事実の明確化
感情的な話の中から、調査の鍵となる「5W1H(いつ、誰が、何を、どこで、なぜ)」を正確に聞き出します。客観的な事実がなければ、その後の調査や対策を進めることができません。 -
傾聴と中立性の維持
まずは話を否定せず最後まで聴く(傾聴)姿勢が基本です。担当者自身が冷静さを保ち、「犯人探し」ではなく「職場環境の改善」を目的として接することで、相談者は安心して事実を話せるようになります。 -
窓口担当者の匿名性
窓口担当者が誰であるかは秘密にしておきましょう。正体が分かった瞬間に相談しづらい雰囲気となります。ただ、小さな会社では声を聴けば誰か分かってしまうこともあります。そのような場合は特に、従業員情報の保護に詳しい人事や総務の方にする、または、社外の方(顧問社労士等)に依頼するのも一手です。
3. 経営層が積極的に関与する
ハラスメント対策は、現場任せにせず、経営者や役員が「会社全体の最優先事項」として取り組む姿勢を示す必要があります。
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権限ある調査担当者の任命
加害者が役職者である場合、一般社員の担当者では適切な調査が困難です。役員や管理職など、社内でしかるべき権限を持つ者を窓口の責任者に据えることで、会社としての本気度が伝わります。 -
組織への影響力
経営層が「ハラスメントは企業の成長を阻害するリスクである」と断じることで、調査担当者の権限が強まり、毅然とした対応が可能になります。このトップの姿勢こそが、窓口に「実効性」という魂を吹き込みます。
まとめ
ハラスメント相談窓口を形骸化させず、効果的に運用するためには、以下の3点が鍵となります。
- 「通報者の保護」を含めた、全従業員への徹底したハラスメント教育
- 窓口担当者の専門的なヒアリング能力の向上
- 経営層による積極的な関与と、調査権限の明確化
これらのポイントを押さえることで、従業員は安心して声を上げることができ、
企業は健全な職場環境を維持して、文字通り働き方を「アセント(上昇)」させていくことができるでしょう。
ハラスメント対策や窓口設置のご相談は
アセント社労士事務所では、大阪を拠点に、ハラスメント防止研修や相談窓口の設置・運用サポートを行っています。
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