CASE STUDY

第一子育児休業中に第二子出産?
育児休業給付金と出産手当金の併給の落とし穴

第一子育児休業中に第二子出産?

第一子の育休中に第二子出産。育児休業給付金と出産手当金、併給できる?「産前休業」申請有無で受給額が変わる落とし穴!

アセント社労士事務所です。今回は、複雑化する育児休業関連の給付金について解説します。特に、第一子の育児休業期間中に第二子を出産した場合の給付金併給は、専門家でも見落としがちなポイントです。

第一子育児休業中の第二子出産における給付金の併給

近年、育児休業に関する手当なども拡充されています。その中でも今回は、制度間のミスマッチによって生じる「落とし穴」に焦点を当てます。具体的には、第一子の育児休業期間中に第二子の出産を迎えたケースです。この場合、「育児休業給付金」と「出産手当金」が併給(二重取り)できるかどうかが問題となります。

結論から述べると、育児休業給付金と出産手当金は併給できるケースがあります。これは法律の規定を照らし合わせると、意図せず併給可能となるためです。

育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。しかし、保育園に入所できないなどの事情があれば、最長2歳まで延長が可能です。このようなこともあり、第一子の育児休業期間中に第二子を出産するケースは珍しくありません。このような場合の給付金の取り扱いを詳しく見ていきましょう。

育児休業給付金と出産手当金とは

まず、それぞれの給付金の概要を確認しましょう。

育児休業給付金

  • 財源: 雇用保険
  • 支給対象者: 育児休業を取得した被保険者
  • 支給期間: 出産後8週間を経過した翌日から、原則として子どもが1歳になる前日までです。最長で子どもが2歳になる前日まで延長できます。
  • 備考: 本記事では、第一子の育児休業を取得中の母親が第二子を出産するケースに焦点を当てます。

出産手当金

  • 財源: 健康保険
  • 支給対象者: 出産のため会社を休み、給与の支払いがない被保険者
  • 支給期間: 出産日以前42日間(産前6週間)から出産日後56日間(産後8週間)までの期間です。

併給できるケースとできないケース

第一子の育児休業給付金は、原則として子どもが2歳になる前日まで支給されます。ただし、第二子を出産する場合は、第二子の「産前休業」開始日の前日までで支給が停止します。一方、出産手当金は産前6週間から支給されます。産前休業は労働基準法で定められた権利であり、取得は任意です。

併給できるケース

第二子の産前休業を取得しない場合

  • 第一子の育児休業期間が継続しているとみなされます。
  • この場合、第二子の出産日前日まで第一子の育児休業給付金が支給されます。
  • また、実際に休業しているため、第二子の出産手当金(産前6週間分)も支給対象となります。
  • 結果として、育児休業給付金と出産手当金の両方を受給できます。

併給できないケース

第二子の産前休業を取得した場合

  • 産前休業の申請をすると、第一子の育児休業給付金はその産前休業開始日の前日で支給が停止します。
  • この期間は、第二子の出産手当金のみが支給対象となります。

つまり、同じ休業状態であっても、それが「産前休業」として申請されているか否かによって、給付金の併給可否が分かれるのです。

知っておきたい注意点:事務手続きの落とし穴

この併給の可否は、産前休業の申請をするか否かで決まります。第二子の出産時に第一子の育児休業が継続している場合、産前休業を取得しない方が、育児休業給付金と出産手当金の両方を受給できることになります。一方で、産前休業を申請してしまうと、育児休業給付金は停止し、出産手当金のみの支給となります。

なぜこのような違いが生じるのか

これは、育児休業給付金(雇用保険)と出産手当金(健康保険)が、それぞれ異なる法律に基づいて運用されているためです。意図的に併給を促しているわけではありませんが、法律の適用状況により、結果として併給が可能になるという複雑な構造が生じています。

企業の人事担当者も、このニッチなケースについて詳細まで把握しているとは限りません。従業員が意識せずに産前休業を申請してしまうと、本来得られたはずの給付金が減ってしまう可能性があります。この制度を知っているかどうかが、手当の受給額に大きく影響するため、注意が必要です。

まとめ

  • 第一子の育児休業中に第二子を出産するケースでは、給付金の併給が論点となります。
  • 育児休業給付金(雇用保険)と出産手当金(健康保険)は、異なる制度です。
  • 第二子の「産前休業」を申請しないことで、第一子の育児休業給付金と第二子の出産手当金を併給できる可能性があります。
  • 産前休業を申請すると、育児休業給付金は停止し、出産手当金のみの支給となります。

この制度の複雑さから、手続き前に専門家への確認をおすすめします。

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