1ヶ月単位の変形労働時間制を解説!
サービス業の繁忙期・閑散期に対応する労務管理
繁忙期と閑散期の労働時間管理に役立つ「1ヶ月単位の変形労働時間制」
本日は、1月4日、多くの方が明日から仕事始めを迎える中、繁忙期と閑散期の労働時間管理に役立つ「1ヶ月単位の変形労働時間制」について詳しく解説します。
特にサービス業で働く皆様にとって、残業代の適正化や柔軟な働き方の実現に繋がる重要な制度です。
変形労働時間制とは?
変形労働時間制とは、労働時間を一定期間内で平均し、週の法定労働時間(原則40時間)を超えなければ、特定の週や日に法定労働時間を超えて労働させても割増賃金(残業代)が発生しない制度です。
- 目的:業務の繁閑に合わせて労働時間を弾力的に配分し、企業は人件費の抑制を、労働者は柔軟な働き方を実現します。
- 種類:1ヶ月単位の他にも、1年単位、1週間単位の変形労働時間制があります。基本的な考え方は同じですので、今回は「1ヶ月単位の変形労働時間制」に焦点を当てて解説します。
1ヶ月単位の変形労働時間制の具体例
この制度を導入した場合としない場合の残業代の扱いの違いを具体例で見ていきましょう。
制度を導入しない場合
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1週目:月曜日から土曜日まで1日8時間勤務(週48時間)。
→ 法定労働時間(40時間)を超える8時間分は残業代が発生します。 - 2週目:週4日勤務、1日8時間(週32時間)。
結果
1週目の8時間分は残業代として支払う必要があります。2週目の労働時間が少ないとしても、これを相殺することはできません。
制度を導入している場合
- 1週目:月曜日から土曜日まで1日8時間勤務(週48時間)。
- 2週目:週4日勤務、1日8時間(週32時間)。
結果
2週間合計で80時間労働。平均すると週40時間となるため、残業代は発生しません。
この場合、繁忙期の週48時間と閑散期の週32時間の差を1ヶ月の期間内で平均化し、残業代を抑制することが可能です。
変形労働時間制の導入手続き
1ヶ月単位の変形労働時間制を導入するには、以下の手続きが必要です。
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就業規則への記載
変形労働時間制に関する規定を就業規則に盛り込みます。 -
労使協定の締結
「労働基準法第36条に基づく時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定)」に変形労働時間制を適用する旨を記載します。協定には、対象となる労働者の範囲、対象期間、起算日、各日・各週の労働時間などを明記します。労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との間で協議し、合意を得る必要があります。 -
労働基準監督署への届出
就業規則(変更)届および労使協定(36協定)を労働基準監督署へ届け出ます。これにより、変形労働時間制が正式に導入され、運用が可能になります。
運用上の注意点とポイント
変形労働時間制は、導入後の適切な運用が非常に重要です。
事前シフト作成の義務
1ヶ月の対象期間が始まる前に、労働者ごとの各日・各週の労働時間を具体的に定めたシフト表を作成し、労働者に通知する必要があります。これにより、労働者は自身の労働スケジュールを事前に把握できます。
緊急時のシフト変更
急な業務都合でシフト変更が必要になった場合、単に労働時間を変更するだけでは制度の趣旨に反する場合があります。「振替出勤」や「振替休日」の手続きを適切に行い、その記録を明確に残す必要があります。
運用管理の徹底
特に多店舗展開のサービス業など、従業員が多い企業では、各店舗や各アルバイトスタッフまで運用ルールを徹底させることが難しい場合があります。管理者の目が行き届く範囲の企業規模であれば、導入しやすい制度と言えるでしょう。
まとめ
- 1ヶ月単位の変形労働時間制は、繁忙期と閑散期の差が大きいサービス業などにおいて、人件費の適正化に有効です。
- 導入には就業規則への記載、労働者代表との労使協定締結、労働基準監督署への届出が必要です。
- 運用においては、事前のシフト作成と、やむを得ない変更時の適切な手続き(振替出勤・振替休日)が不可欠です。
制度の趣旨を理解し、適切な手続きと運用を行うことで、企業と労働者双方にメリットをもたらします。
大阪で労務管理にお悩みの企業様、特にサービス業の皆様へ。アセント社労士事務所では、変形労働時間制の導入支援から運用サポートまで、皆様の働き方を「アセント(上昇)」させるお手伝いをしています。お気軽にご相談ください。
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