【学校の働き方改革】教職員こそ労働基準法を学ぶべき理由
大阪を拠点にサービス業をはじめとする企業の働き方改革を支援する、アセント社労士事務所です。
今回は「学校の先生こそ労働基準法を学ぶべき」というテーマでお話しします。
多くの教職員が休憩時間を適切に確保できていない現状は、教育現場の持続可能性に関わる深刻な問題です。労務管理のプロの視点から、そのリスクと改善の必要性を解説します。
教職員が休憩を取れていない現状
最近、学校の先生方とお話しする機会が重なりました。
その際、多くの先生が「休憩時間を取れていない」と口を揃えます。
さらに問題なのは、その状況を「おかしい」と感じていない点です。
「休憩なんて取れないのが普通」「電話が鳴れば出るのが当たり前」
あるいは「手が空いた数分間が休憩」といった感覚を持たれています。
このような認識が常態化していることは、非常に危険な兆候です。
この問題には、大きく分けて2つのリスクが潜んでいます。
生徒の未来を守るために労働法知識が必要
1つ目の理由は、先生自身が労働基準法(労基法)を学ぶ必要性です。
学校は、子供たちが社会に出るための準備期間でもあります。
しかし、社会生活で不可欠な労基法の知識が十分に教えられていません。
労働教育の欠如
稀に社会保険労務士が出前授業を行うこともありますが、十分とは言えません。
新入社員研修を担当すると、有給休暇、休憩、残業などの基本知識がない新卒者が多く見受けられます。
知識がある場合でも、それは学校教育ではなく学生時代のアルバイト経験によるものです。
社会常識とのズレを認識する
金融教育は始まっていますが、労働に関する教育も徹底すべきです。
「何時間働けば休憩が必要か」「残業代の仕組み」などを教えない理由は見当たりません。
公務員の教職員は労基法が一部適用除外ですが、世間一般のルールとのズレを知っておくべきです。
自らの職場環境がいかに法的基準から乖離しているかを認識することは、教育者として重要です。
労働環境のギャップによる若手教員の離職
2つ目の理由は、新卒教員の早期離職を防ぐためです。
学校という職場の過酷さが、新卒者にとって「異常」に映るケースが増えています。
学生時代のアルバイト経験との比較
現代の学生は、大手飲食チェーンなどの上場企業でアルバイトをするケースが多々あります。
大手企業ほどコンプライアンス(法令順守)意識が高く、労務管理が徹底されています。
「休憩中に業務を行ってはいけない」と教育を受けてきた彼らが、学校現場に入るとどうなるでしょうか。
閉鎖的な環境への違和感
「休憩中でも電話に出ろ」と言われる環境に対し、彼らは強いギャップを感じます。
かつては組織の色に染めることも可能でしたが、現代は労務関係の情報も溢れているため通用しません。
正しい労務管理を知っている人材ほど、学校の労働環境に絶望し、早期に離職してしまいます。
これは学校に限らず、離職率が高い一般企業にも共通する課題です。
「休憩が取れないのは当たり前」という内部の常識が、世間では非常識であることを自覚する必要があります。
教育現場の持続可能性に向けて
学校現場では、残業代の扱いや部活動の顧問業務など、多くの課題が山積しています。
学校という狭い環境で過ごしてきた先生方は、世間との温度差に気づきにくい傾向があります。
「井の中の蛙」にならないよう、外部の視点を取り入れることが不可欠です。
メンタル不調や退職者の増加を防ぐためにも、学校を閉鎖的な空間にしてはいけません。
教育のため、そして先生方自身を守るために、危機感を持って環境改善に取り組む必要があります。
まとめ
- 休憩が取れない現状を「当たり前」とする認識は危険である
- 生徒が社会で困らないよう、学校教育で労働法の基礎を教えるべきである
- 大手企業の労務管理を知る新卒者にとって、学校の労働環境は離職の原因となる
- 閉鎖的な体質を改善し、世間の常識に合わせた働き方改革が必要である
労務管理にお悩みですか?
大阪のアセント社労士事務所では、学校法人やサービス業を含む幅広い業種の労務管理を支援しています。
組織の離職率改善や働き方改革についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。